俺は世界一ザコ。
俺は口では色々言ってるが本当にザコだ。
そんな俺のザコさを、気づかないようにしていたこの忌まわしきザコさを痛感した出来事がつい最近あった。
それは結構空いている電車の端っこの席でAbemaTVの『今日好きになりました。』を見ながらニヤニヤしていた時の事だった。
電車が駅で停車するとちょっと可愛いJKが俺の隣に座ってきたのだ。
わ〜いい匂い〜☺️☺️☺️
制服!!!
カーディガンの萌え袖の感じとか、短いスカートの感じとか、スクールバッグに吊るされてるデカめのキーホルダーの感じとか。
全てが刺激が強すぎる。
しかし俺、ここで負けるわけにはいかない。
なんと言ったってさっきまで可愛いJKの恋愛リアリティショー『今日好き』を見ていたのだ。
つまりは可愛いJKをガン見していたのだ。
動じない。動じるはずがない。
と、思った矢先、肘が触れ合う。
俺、ノックアウト!!
一旦『今日好き』を見るのを辞める。
というか、一旦スマホを閉じる。
そして目も閉じる。
深呼吸。
そしてちょっとすかす。
こんな時どうすればいいのだろう。
スマホを見るのがあんぱいであろう。
よし、スマホ再開!!
が、しかし!!!
スマホで何を見ればいい??
俺のスマホの用途なんて、YouTubeかInstagramかLINEがほとんど。
その時LINEは特に用事なし。
さすがに『今日好き』は見れないし。
何を見てたらキモくないか考える。
無難なのはLINE。しかしそれは使えない。
俺はとりあえずNewsPicksを開く。
しかし、その刹那、それは愚策であることに気づく。
ニュースアプリの中でも特段質の高いNewsPicksなんか今どきのJKには響かない。
お堅いやつと思われてしまう。
ゲームはしょうもないやつと思われるし、JKから許されるゲームなんてツムツムくらいだろう。
そうこうして考えているうちにJKは電車をおりてしまった。
何が正解だったんだろう。
何でこんなことになってしまったのだろう。
俺が何をしたって言うんだ。
次に俺の隣に座ったのは汚いジジイ。
ジジイよ、俺もお前も変わらない。
お前が隣に座ってくれた方が俺は安心するぜ。
全てを失った俺は、失うものがなくなった俺は、胸を張って『今日好き』の続きを見るのであった。